猫ちゃん・わんちゃんの目の病気①
猫ちゃんやわんちゃんの目はデリケートな為、少しの刺激で様々なトラブルに繋がります。
目の病気には、先天性なものもありますが、怪我や喧嘩などの外傷や内臓の疾患が
発症の引き金になることもあります。
目の病気
猫ちゃんやわんちゃんに多い目の病気として、
<まぶたの病気>
●眼瞼炎(がんけんえん)
●第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)
●マイボーム腺炎(ものもらい)
<角膜の病気>
●角膜潰瘍(かくまくかいよう)
●角膜炎
<結膜や涙、強膜などの病気>
●結膜炎
●流涙症(りゅうるいしょう)
●乾性結膜炎(ドライアイ)
<眼球の病気>
●白内障
●緑内障
など、この他にもたくさんの目の病気があります。先天性による目の病気などもありますが、
今回は、よくある目の病気についてご紹介します。
眼瞼炎(がんけんえん)
眼瞼炎とは、その名前のとうり、「まぶたの炎症」の症状です。
赤く腫れて、目の中の異常ではなく、まぶた周辺の皮膚に異常を起こします。
<症状>
目の周りの毛が抜けて赤く腫れたり、目ヤニが増えたりします。また、症状が進行すると、
痛みや痒みも出てくるため、頻繁に前足で目の周辺を擦るようになります。
<原因>
・アレルギーや細菌、真菌(カビ)、寄生虫や外傷、免疫異常からくる皮膚疾患などが原因でおこります。
<病院での治療>
原因によって異なりますが、抗生物質などの投与や、眼軟膏の塗布などがあります。また、痒みや痛みがある場合は、目の周りを擦らないように、エリザベスカラーをして症状の悪化を防ぐこともあります。
第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)
猫ちゃんやわんちゃんには、人間とは異なり、目頭の内側に、「第三の瞼」があります「第三眼瞼(瞬膜)」。
この「第三眼瞼(瞬膜)」は外からはほとんど見えませんが、眼球の異物を払ったり、涙の分泌による目の潤いを施す働きをしています。
チェリーアイとは、この『第三眼瞼(瞬膜)』が赤く腫れて外に飛び出してしまう症状のことです。赤く腫れ上がり、飛び出した「第三眼瞼(瞬膜)」がサクランボのように見えることから、「チェリーアイ」と呼ばれています。
<症状>
第三眼瞼(瞬膜)が何らかの原因で目頭付近から赤く腫れて外に飛び出します。
主に片側の場合が多いですが、両側の場合もあります。
目の違和感から、目をしきりに掻いたり、擦ったり、目が充血したりします。
<原因>
明確な原因は解明されていませんが、先天性による原因では、「第三眼瞼(瞬膜)」を固定している組織が欠損、または弱いということがあります。
この他、何らかの原因による外傷や細菌などの炎症が原因で起こる事もあります。
<病院での治療>
症状が軽い場合は、獣医さんが、綿棒などを使って飛び出した部分を元の位置に戻します。
その後、抗生剤や抗炎症剤などの点眼薬を使って処置します。
また、目を触らないようにエリザベスカラーをします。
チェリーアイは再発しやすい病気です。再発を繰り返したり、症状のひどい場合は、
外科的な整復手術が必要となる場合があります。
外科手術では、「第三眼瞼(瞬膜)」を可能な限り温存させます。
なぜなら、「第三眼瞼(瞬膜)」は涙を全体の30%産生するという大切な役割があるため、
不用意に切除してしまうと、眼球が乾いてしまいドライアイになるリスクが高くなります。
マイボーム腺炎
マイボーム腺とは、上下の瞼の内部にある油分を分泌する分泌腺のことです。
マイボーム腺炎とは、「ものもらい」や「めばちこ」ともいいます。
マイボーム腺炎には「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」の二種類があります。
<症状>
瞼の周りが赤く腫れたり、瞼の縁に小さいイボのような物ができる。
目ヤニや涙が増えて、目を開けづらそうしている。痒みを伴うこともあり、目を擦ったりすることもあります。
<原因>
麦粒腫の場合 ⇒ 主に目や瞼の細菌感染で起こる炎症です。
霰粒腫の場合 ⇒ マイボーム腺の油分が詰まってしまい異物ような塊になって炎症を起こします。
<病院での治療>
麦粒腫の場合 ⇒ 細菌の感染が原因なので、抗生物質や角膜修復保護剤の目薬での点眼治療になります。また、症状によっては、内服薬を処方される場合もあります。
霰粒腫の場合 ⇒ 詰まって腫れている結膜を切開して、内容物を排出させて、点眼治療をします。
目の痒みや、違和感から目を擦ったりしないように、エリザベスカラーをします。
角膜潰瘍(かくまくかいよう)
眼球の表面にある透明な膜のことを「角膜」といいます。
この、角膜が何らかの原因によって傷ついてしまっている状態を「角膜潰瘍」といいます。
<症状>
涙や目ヤニが多くなり、目を閉じて痛そうにしていたり、白目が充血して赤くなっていたりします。
また、角膜が凹んでいたり、痛みを伴い、目を擦ったり、床や物に擦り付けるなどの行動が見られることもあります。
<原因>
喧嘩や、目に異物混入などの外傷が原因で起こる事が多いとされています。
(*我が家のさくらは昔、草むらで、はしゃいで走り回って、草で目を傷つけ病院のお世話になった経験があります😓)
この他、わんちゃんでは、まれですが細菌やウイルス感染など角膜への刺激が長期間あると、
症状の悪化を引き起こすとも言われています。猫ちゃんでは、「猫ヘルペスウイルス感染」が原因とよく聞きます。
<病院での治療>
症状にもよりますが、一般的な治療としては、点眼治療になります。
細菌感染がある場合、抗生剤や内服薬を併用する場合もあります。
角膜炎
角膜炎は「角膜潰瘍」と同様、角膜がさまざまな原因で傷が付いたり、炎症によっておこる状態のことをいいます。
角膜炎には「潰瘍性角膜炎」と「非潰瘍性角膜炎」があります。
「潰瘍性角膜炎」とは ⇒ 角膜の上皮とその深部である角膜実質にまで欠損が生じている状態
「非潰瘍性角膜炎」とは ⇒ 角膜上皮の表面に炎症が生じている状態
<症状>
角膜上皮には角膜の知覚を感受するセンサーがあるので、角膜炎になると強い痛みが生じます。
この為、目を擦ったり、痛みから目をショボショボさせて、うまく開かなかったりします。
重度の場合は、視力低下や失明してしまう事もあります。
<原因>
細菌や真菌(カビ)、感染症などが原因といわれています。
外傷性の原因では、喧嘩や怪我、目を擦ったりなどの刺激で角膜に傷が付き炎症をおこします。
他にも、何らかの病気による併発があります。
<病院での治療>
原因にもよりますが、一般的には、目の痛みや痒みで目を引っ掻いてしまうので、
エリザベスカラーをします。そして、抗生剤や抗炎症剤などの点眼治療になります。